[20日 ロイター] – 岸田文雄首相は20日、訪問先のカンボジアの首都プノンペンでフン・セン首相と会談した。共同会見で岸田首相は、ウクライナ情勢を念頭に「国際秩序の根幹を守るため緊密に連携することで一致した」と述べた。

南シナ海や北朝鮮をめぐっても緊密な連携で一致したとし、拉致問題での支持に感謝すると述べた。

カンボジアは今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国。

もっとも公表された共同声明には、ロシアや中国を名指ししての批判は盛り込まれなかった。

<ロシア、中国名指しせず>

岸田首相は「カンボジア海軍基地への継続訪問など防衛協力を充実させる」と述べた。このほか「カンボジアが国民の多様な声を反映した選挙を実施できるよう後押しする」と強調した。

共同声明によると、両首脳は、ウクライナ侵略について「主権及び領土一体性を侵害し、国連憲章の重大な違反であるとの認識を共有」したとし、「武力行使の即時停止とウクライナからの軍隊の撤退」を求めた。

また、インド太平洋地域の平和と安定、安全保障を保全することのコミットメントを確認した。

南シナ海をめぐっては、「緊張を高め、状況を複雑化させるような一方的な行動を取らないように関係国に求めることの重要性について強調した」という。

一方で、ロシアと中国の国名は記されなかった。

岸田首相は20日、インドからカンボジアに移動し、到着後、国連平和維持活動(PKO)で殉職した、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の文民警察官だった故高田晴行警視と、国連ボランティアとして選挙監視活動に参加して殺害された故中田厚仁氏の慰霊碑に献花を行った。