[ニューヨーク 21日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が一段と積極的な利上げを示唆したことを受け、ドルが主要通貨に対して上昇した。

ドルは朝方の取引でプラス圏とマイナス圏を行きつ戻りつしていたが、アトランタ地区連銀のボスティック総裁の発言を受け、やや下落。ボスティック総裁はFRBの利上げについて、今年が6回、来年は2回との想定を示した。ロシアのウクライナ侵攻が米経済に及ぼす影響を考慮し、想定回数は他の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーよりも少ない。

ただその後、パウエルFRB議長がインフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅での利上げを実施する可能性があると述べたことを受け、ドルは上昇した。

ウェルズ・ファーゴ投資研究所のシニア・グローバル市場ストラテジスト、サミア・サマナ氏は「パウエル議長はインフレを引き下げるためにあらゆる手段を尽くすと言い続けているが、市場では利上げ幅は25ベーシスポイント(bp)にとどまるとの見方が変わっていない」と指摘。ただ「FRBは法則を変えつつあるよう見える」とし、「25bp以上の利上げを実施する必要があるのかもしれないし、利上げと量的引き締めを同時に実施する必要があるのかもしれない」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.123%高。

ユーロは0.24%安の1.1022ドル。

FRBを含め世界の主要中央銀行が利上げを実施する中、日銀は17─18日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定。

円は対ドルで0.17%安の119.38円。一時は119.46円と、2016年2月以来の水準に弱含んだ。

英ポンドは0.06%安の1.3168ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.84%安の4万0973.32ドル、イーサは1.33%安の2908.60ドル。

ドル/円 NY終値 119.47/119.48

始値 119.21

高値 119.49

安値 119.11

ユーロ/ドル NY終値 1.1014/1.1018

始値 1.1043

高値 1.1052

安値 1.1011