[ニューヨーク 22日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅安となった。前日の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長のタカ派発言を受けたドル高が一服する中、株価上昇を背景に市場心理がリスクオンに傾いた。

ドルは前日に10日以降で最大の上昇率を記録。パウエル議長は21日、インフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅での利上げを実施する可能性があると述べた。

22日には、セントルイス地区連銀のブラード総裁が「インフレ抑制に向け積極的に行動する必要がある」と述べ、政策金利を今年3%に引き上げるべきという考えを強調した。

サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁も、経済に対する「主要なリスク」は高すぎるインフレであり、ロシアのウクライナ侵攻によって原油価格が上昇し、中国の新型コロナウイルス対策によってサプライチェーン(供給網)が一段と混乱すれば、インフレがさらに悪化する可能性があると述べた。

CMEグループのFEDウオッチによると、トレーダーは5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの利上げが行われる確率を61.6%と見込んでいる。1週間前は50%強だった。

米株市場ではFRBの利上げ期待で銀行株が買われ、主要株価指数が上昇。投資家はリスクオンムードを強めた。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBがタカ派姿勢を強めていることがドルを十分支援しているが、ピークは過ぎている。リスク選好度も関係しており、株高がドルの上昇を抑えている」と述べた。

ドル指数は0.06%安。

円は対ドルで121.03円と6年ぶりの安値。終盤は1.05%安の1ドル=120.72円。

円は他の通貨に対しても値下がりし、対ユーロでは一時133.33円と5カ月ぶりの安値。終盤は1.2%安の133.17円。対スイスフランでは128.91円と6年半超ぶりの安値に沈んだ。終盤は1.48%安の128.89円。

ユーロ/ドルは0.13%高の1.1028ドル。

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は22日、ECBはエネルギー価格の短期的な乱高下に左右されずに基調インフレのトレンドを注視すべきだとの認識を示した。

ポンドは0.72%高の1.326ドル。

暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが3.67%高の4万2662.37ドル。イーサが3.59%高の3014.26ドル。

ドル/円 NY終値 120.80/120.83

始値 120.86

高値 120.93

安値 120.39

ユーロ/ドル NY終値 1.1027/1.1031

始値 1.1002

高値 1.1045

安値 1.0992