[ワシントン 23日 ロイター] – 米商務省が23日に発表した2月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比2.0%減の77万2000戸だった。減少は2カ月連続。住宅ローン金利と住宅価格の上昇を受け、一部の初回購入者が市場から締め出された格好だが、販売件数は依然として新型コロナウイルス禍前の水準を上回っている。

市場予想は81万戸だった。前年同月比では6.2%減少した。

エコノミストらは、値ごろ感の薄れが短期的には住宅市場の活性化を抑制するものの、需要の高まりや中古住宅在庫の記録的な少なさ、賃金の上昇を考えると、新築住宅市場は今年も底堅く推移すると予想する。

ネーションワイドの主任エコノミスト、デービッド・バーソン氏は「ロシアのウクライナ侵攻に起因する負の供給ショックで金利がさらに上昇し、住宅販売は今後数カ月間減少傾向となり得るが、住宅ローン金利が急上昇したり、経済が失速したり、さらに悪化しない限り、新築住宅販売の落ち込みは小幅にとどまるはずだ」と指摘した。

地域別では北東部で59.3%急増。中西部でも6.3%増となったが、人口密度が高い南部で1.7%、西部で13.0%それぞれ減少した。

1月の販売戸数は当初発表の80万1000戸から78万8000戸に下方修正された。

ハイフリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「住宅ローン金利と価格の上昇が重要な問題で、今後の住宅販売の重しになる可能性がある」と述べた。

新築住宅は米住宅販売の11.4%を占める。

2月の販売価格中央値は、前年同月比10.7%上昇の40万0600ドル。住宅価格は3年前と比較して31%も上昇している。先月販売された住宅で20万ドル以下のものはなく、今年から来年にかけて住宅価格の強い伸びが続くと予想される。

ネービー・フェデラル・クレジット・ユニオンの企業エコノミスト、ロバート・フリック氏は「住宅コストの上昇と住宅ローン金利の上昇が販売と価格の両方を冷やすピボットポイントに近づいているかもしれないが、需要と供給の不均衡を考えると、今年中にそのポイントには到達しないかもしれない」と述べた。

新築住宅の在庫は40万7000戸で2008年8月以来の高水準。1月は39万8000戸だった。在庫のうち建設中が65%、未着工が約26%だった。

2月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は6.3カ月。1月は6.1カ月だった。