[25日 ロイター] – 岸田文雄首相は24日、ベルギーのブリュッセルで開かれた主要7カ国(G7)首脳会合に出席し、ロシアに対する追加制裁措置のほか、ウクライナと周辺国に1億ドルの追加人道支援を行うと表明した。個別に会談したバイデン米大統領とは、弾道ミサイル発射を含む北朝鮮への対応について日米で緊密に連携していくことを確認した。
G7首脳会合後、記者団に明らかにした。
岸田首相はG7首脳会合で、対ロ追加制裁の内容について、1)「最恵国待遇」撤回のための法改正案を今国会に提出する準備を進めること、2)輸出禁止対象に81の軍事関連団体を追加すること、3)多数のオリガルヒ(新興財閥)の関係者を制裁対象に追加すること、4)ぜいたく品の輸出禁止措置を来週初めに導入すること、5)デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対応するための法改正案を今国会に提出する準備を進めること──を説明した。
岸田首相はG7首脳に対して「ロシアによる平和条約交渉中断宣言にひるむことなく、今後とも断固とした対応を取っていく」と伝えたことも明らかにした。
また、ウクライナと周辺国に追加支援1億ドルを実施するほか、保健・医療分野で人的貢献を検討すること、避難民の受け入れを進めることも首脳会合の場で表明した。
バイデン米大統領とは、この日に新型の大陸間弾道弾(ICBM)とみられるミサイルを発射した北朝鮮への対応を協議。記者団に対し、「日米で緊密に連携していくことを確認した」ことを明らかにした。
このほか岸田首相は、欧州連合(EU)、英国、ポーランド、北大西洋条約機構(NATO)、カナダなどの首脳と個別に会談した。ポーランドのモラウィエツキ首相には、近く古川禎久法務相を特使として同国に派遣し、避難民受け入れを促進すると伝えた。
(杉山健太郎 編集:久保信博)