「この男が権力の座にとどまることはできない」。バイデン米大統領はワルシャワでの演説をこう締めくくり、ロシアのプーチン大統領を痛烈に批判しました。アドリブとされるこの発言で米ロ対立が一段と激化するとの見方も。現在、両国には相手国の宇宙船を使って国際宇宙ステーション(ISS)に飛行士を送り込む協定があり、30日には米国人飛行士がロシアの「ソユーズ」でISSから地球に帰還します。地球から400キロ離れた平和と国際協力の象徴にも、いずれ戦争の影響は及んでしまうのかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
対面協議再開へ
ウクライナとロシアの代表団が今週、対面での協議を再開する。ウクライナ交渉団メンバーのアラカミア議員は、28-30日にトルコで会談するとフェイスブックへの投稿で明らかにした。一方、ロシア側交渉団トップのメジンスキー大統領補佐官は29-30日の対面協議で両者が合意したと明らかにした。開催予定地については特定していない。
米国民の評価低く
NBCニュースが行った世論調査では、ウクライナでの戦争を巡るバイデン大統領の対応にほとんど信頼を寄せていないか、一部しか評価していないとの回答が7割に上った。大いに信頼しているとの回答はわずか12%。全体の80%余りは、戦争が核兵器の使用につながることを懸念。米国がウクライナに戦闘部隊を派遣することを懸念しているとの声は74%となった。
超富裕層に増税
バイデン米大統領は28日に発表する2023会計年度(22年10月-23年9月)の予算教書で、1億ドル(約122億円)を上回る超富裕層の家計を対象に所得と未実現のキャピタルゲイン所得の両方に最低20%課税する増税案を提案する。ホワイトハウスが「ビリオネア最低所得税」と呼ぶ案は、最富裕層の増税に向けバイデン政権がこれまで行った提案で最も踏み込んだ内容となる。
上海ロックダウン
中国で新型コロナウイルス感染の最大のホットスポットとなっている上海市は、大規模検査を実施するためロックダウン(都市封鎖)に入る。同市発表によると、金融街を含む黄浦江以東の地域で28日から4日間実施し、続いて黄浦江以西で4日間行われる。テスラは上海工場の操業を少なくとも1日停止する計画だと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
「重大リスク示されず」
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、キプロス紙フィレレフテロスとのインタビューで、「これまでのところデータはスタグフレーションの重大なリスクを示唆していない」と語った。ユーロ圏の域内総生産(GDP)は危機前の水準に戻り、成長が続いており、労働市場は引き続き強いと同総裁は指摘した。
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