ロシア人富豪ロマン・アブラモビッチ氏とウクライナ側の和平交渉担当チームの幹部少なくとも2人が毒物の影響とみられる症状に苦しんだと、ダウ・ジョーンズ(DJ)通信が複数の匿名の関係者の話として報じました。今月開いた会合後に目の充血や顔・手の皮膚剥離といった症状が出たとのことです。西側の専門家は原因の断定は困難としていますが、世界的な調査グループのベリングキャットは、この交渉担当者らが「化学兵器による毒物被害に一致する症状を経験した」ことを確認したとしています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

5.8兆ドル

バイデン米大統領は28日、5兆8000億ドル(約715兆円)規模の2023会計年度予算教書を公表した。民主党穏健派に配慮した内容で、財政赤字削減のほか、警察や退役軍人への追加資金投入、新たな支出プログラムの交渉での柔軟性確保に重点を置いている。予算教書にはドルベースで最終的に史上最大の増税となる措置が含まれており、経済規模と比べた財政赤字の安定化につながる見通しだ。

要求拒否

主要7カ国(G7)のエネルギー担当相は、ロシアからの天然ガス購入契約を巡りルーブル建てでの支払いを求めているプーチン大統領の要求について、拒否することで一致した。ドイツのハーベック経済相は28日、ロシアの要求は「一方的で、明らかな契約違反」だと言明。「ルーブルでの支払いは容認できず、関係する企業に対しプーチン氏の要求に従わないよう強く求める」と述べた。

不透明性を反映

イングランド銀行(英中央銀行)が将来の利上げに関するガイダンスを今月軟化させたのは、経済の高い不透明性を反映させた結果だった。17日の政策発表後初めてとなる公の発言でベイリー総裁が説明した。ブリュッセルで開かれたイベントで総裁は、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が急騰しているため、現在6%を超えているインフレ率は英中銀の目標をいっそう上回って推移する公算が大きいと指摘。現状では政策引き締めが適切だが、ガイダンスは現在の不透明性を反映させる必要があると論じた。

エクスポージャー縮小

スイスの銀行クレディ・スイス・グループはロシアで新たな事業を追求することをやめ、同国へのエクスポージャーを減らしている。ウクライナ侵攻を受けた措置。クレディ・スイスは顧客がロシアへのエクスポージャーを削減するのも支援している。ブルームバーグが確認した社内文書で明らかになった。業務をロシア国外に移しており、従業員の移転を支援しているという。同行の広報担当者は文書の内容を確認した。

一部お任せ

米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、最大1500億ドル(約18兆5000億円)の資産運用を米ブラックロックに任せることで同社と合意した。28日の発表資料によれば、ブラックロックはAIGが保有する世界規模の投資ポートフォリオのうち最大600億ドルと生保・年金部門の投資ポートフォリオの最大900億ドルを運用する。AIGおよび生保・年金部門はブラックロックのソフトウエア「アラジン」のプラットフォームを使って投資運用も行う。

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