[リビウ(ウクライナ)/ローマ 28日 ロイター] – ウクライナ南部マリウポリ市長の報道官は28日、ロシア軍に包囲されて以降、子ども約210人を含む約5000人が死亡したと明らかにした。
さらに、病院や学校、幼稚園や工場を含む市内にある建物の約90%が損傷し、40%が破壊されたとした。
報道官が公表したデータによると、ロシア軍の包囲前にマリウポリから約14万人の市民が脱出。包囲後に約15万人が脱出したが、まだ17万人が市内に取り残されている。
マリウポリのボイチェンコ市長はすでにマリウポリを脱出。「状況は極めて厳しい。人道的な大惨事の限度を超えている」とし、「マリウポリから全ての市民が完全に避難する必要がある」と述べた。
ただ28日はロシア軍による攻撃の恐れから、マリウポリから市民を避難させるための人道回廊の設置は計画されていない。
この日は首都キエフのクリチコ市長がキエフと姉妹都市契約を結ぶイタリア・フィレンツェの議会向けに演説。ロシアの侵攻開始以来、キエフで少なくとも100人以上の死亡が確認されたほか、82の建物が破壊されたと報告。キエフ市内の実際の死者数の把握は不可能になっていると述べた。
ウクライナ国防省のモツヤニク報道官は、ロシア軍がキエフ包囲を断念した兆候は見られないとしている。