[ニューヨーク 1日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。3月の米雇用統計が堅調な内容となり、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に向け利上げペースを速めるとの見方が強まった。
米労働省が1日発表した3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より43万1000人増加し、堅調な伸びを示した。また失業率は3.6%と2020年2月以来、約2年ぶりの水準に改善した。2月の失業率は3.8%だった。
コーペイのチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「再び堅調な数値が発表されたことで、FRBが今後数カ月で2回以上の大幅な利上げを実施するとの期待が持続し、ドル高を促す勢いが増している」と述べた。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRBが今後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントずつ利上げするとの見方が示唆された。
ドル指数は0.314%高の98.627。前日は0.5%上昇していた。
週間ではほぼ横ばい。週央は下落していたがロシアとウクライナの和平交渉への期待が後退し、安全通貨としてのドル買いが強まったことで回復した。
シャモッタ氏は「ウクライナの停戦を巡る期待が薄れ、世界のリスクセンチメントは引き続き悪化し、ドルを押し上げている」と語った。
欧州連合(EU)統計局が1日に発表した3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年同月比7.5%上昇した。上昇率は前月の5.9%から加速し、過去最高を更新した。
ただ、ユーロの支援材料とはならず、対ドルで0.24%安の1.10395ドルとなった。
コモディティー関連通貨の豪ドル/米ドルは0.15%高の0.74965米ドル。
ルーブルはロシアがウクライナ侵攻を開始した2月24日の数日前の水準を回復した。
ドル/円 NY終値 122.49/122.52
始値 122.42
高値 123.03
安値 122.39
ユーロ/ドル NY終値 1.1053/1.1057
始値 1.1065
高値 1.1067
安値 1.1029