[ニューヨーク 3日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨バスケットに対し下落。広く予想されている米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げがすでにほぼ全て相場に織り込まれており、ドル上昇が一服する可能性があるという見方が台頭した。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「米国にとって追い風となる多くのニュースはすでに織り込まれており、うわさで買って事実で売る状況となっている可能性がある」と述べた。
FRBは3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定すると同時に、9兆ドルに膨れ上がったバランスシートの縮小計画を発表すると予想されている。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.21%安の103.43。
3日発表された3月の米雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が20万5000件増の1150万件と、2000年の調査開始以来最高となった。雇用主が賃上げを続け、高インフレが維持される可能性がある。
6日に発表される4月の米雇用統計が注目されている。
一方、中国での新型コロナウイルス規制は世界的な成長鈍化や新たなサプライチェーンの混乱を巡る懸念につながり、ドルを下支えた。中国・北京は、新型コロナ感染者の発見・隔離に向けた大規模な検査や一部企業などの閉鎖に乗り出している。
豪ドルは0.6%高の0.7094米ドル。 オーストラリア準備銀行(中央銀行)は3日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25bp引き上げ0.35%とした。利上げは10年11月以来で、大方の予想より大幅な引き上げとなった。
ユーロは0.16%高の1.0526ドル。
対ロシア制裁に伴うインフレや成長、エネルギー安全保障を巡る懸念が重しとなり、ユーロ/ドルは過去3カ月に14%下落している。
欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は3日、 高インフレが根付くのを防ぐために、ECBは7月にも利上げを実施する可能性があると述べた。
円は対ドルで130.19円と、20年ぶりの安値を若干上回る水準で推移した。
ドル/円 NY終値 130.10/130.13
始値 130.08
高値 130.20
安値 129.71
ユーロ/ドル NY終値 1.0520/1.0524
始値 1.0504
高値 1.0577
安値 1.0500