米連邦最高裁は23日、公の場所での個人による銃の携行を原則的に禁じているニューヨーク州法は無効だとの判断を下した。憲法修正第2条が家庭外での銃の権利を保護するものだとする初めての判断となる。
今回の6対3での判断により、人口の多い一部都市で公共の場所での銃携行が増える可能性がある。ニューヨークはカリフォルニア、マサチューセッツ、ニュージャージー、メリーランド、ハワイ各州とともに、公共の場での銃携行に厳しい制限を課す州の1つだった。
米国では先月、ニューヨーク州バッファローの食料品店やテキサス州の小学校で銃乱射事件が相次ぎ、計30人余りが死亡。上院は新たな銃規制法案を承認する方向で動いており、バイデン大統領も殺傷力の高い攻撃用武器の販売と大容量弾倉の販売禁止を呼び掛けている。
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今回の最高裁判断は、トランプ前大統領が指名した判事3人の影響が浮き彫りとなった。ニール・ゴーサッチ、ブレット・カバノー、エイミー・コニー・バレットの3氏はいずれも無効判断を支持した。
同判断について、ニューヨーク市のアダムズ市長は声明で「ニューヨーカーを銃暴力のさらなるリスクにさらすことになる」と指摘。同市は州政府および連邦政府と協力し、銃の携行を禁止にできる場所の定義方法を見直すと表明した。
ニューヨーク州のホークル知事は今回の最高裁判断を「恐ろしい」と表現。市民を守る州の権利を奪うものだと述べ、州の銃規制について議論する特別立法議会を7月に開く意向を示した。
原題:Supreme Court Voids N.Y. Gun Limits, Establishes Right to Carry(抜粋)