米KKRは東芝の買収合戦に加わる可能性から退きつつあると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が事情に詳しい関係者の話として報じた。
FTによると、KKRは東芝全体の買収には関心を失ったが、非上場化の過程でスピンオフ(分離・独立)される事業については取得したい意向があるという。KKR撤退となれば、同社と競い合ってきた米ベインキャピタルなどに東芝買収への道が開かれる可能性がある。
KKRはFTに対しコメントを控えた。
東芝広報の原みどり氏はブルームバーグ・ニュースに対し、今月2日に公表した通り非公開化に関する初期的な提案を8件、上場維持を前提とした戦略的資本業務提携に関する初期的提案を2件受け取っているが、「提案内容および各候補先の詳細は公表していない」と説明。提案を総合的に評価した上で「速やかに最終プロセスに招へいするパートナー候補を絞り込む予定」だと続けた。
ブルームバーグ・ニュースは5月、KKRは米ブラックストーンと共に東芝に対する共同買収提案を検討していると報じていた。
東芝がアドバイザー追加、ブラックストーンも買収参戦検討-関係者
原題:KKR Is Stepping Back From a Potential Bid for Toshiba: FT (1)、
KKR Backs Out of Bidding for Toshiba, FT Says(抜粋)
東芝買収、革新投資機構も名乗り 官民ファンド、国内勢は初<時事ドットコム>2022年05月25日20時28分
官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)が、東芝の買収を検討していることが25日、分かった。経営再建へ株式非上場化などを模索する東芝をめぐっては、米投資ファンドのベインキャピタルが買収に名乗りを上げている。国内投資家の買収検討が明らかになったのは初めて。
東芝は企業価値向上のため経営戦略の再検討を進めており、ベインが買収に意欲を示している。ただ、東芝は原子力関連事業などを手掛け、経済安全保障に関わる重要技術を持っている。外国人投資家の出資を厳しく制限する外為法の規制対象となるため、非上場化には国内投資家の参加が必要とみられていた。
JICは2018年に産業革新機構を改組して発足した官民ファンドで、次世代産業の創出や産業再編を目的としている。東芝の買収については「コメントを控える」(広報)としている。