[30日 ロイター] – 欧州連合(EU)統計局は30日、2021年に化石燃料がEUで最大の発電源となったと発表した。天然ガスの使用が過去10年で最高となったため、化石燃料が前年に首位だった再生可能エネルギーを抜いた。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起きた20年に再エネが一時的に首位となった。しかし、経済回復に伴って21年には石炭や石油、天然ガスによる化石燃料の電力供給が前年より4%増えた。
天然ガスの大部分はEU域外から輸入しており、21年後半に価格が高騰したものの21年の消費量は4%近く増加した。ロシアのウクライナ侵攻を受け、今年も価格上昇が続いている。ドイツへの新たなパイプラインを通じて供給を強化する予定だったロシアに対し、EUは制裁を科した。
褐炭の発電量は16%増加し、歴青炭による発電量も25%超増えた。ただ、パンデミック前の水準を下回り、1990年以来2番目に低い水準となった。統計局は「パンデミックの影響と脱石炭政策で減少が続いている」のが要因と指摘した。
原子力発電の発電量は7%増。再生可能エネルギー源では太陽光発電が13%増え、バイオ燃料が10%増で続いた。水力と風力は悪天候のためそれぞれ減った。