バイデン米大統領(AP=共同)

【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は1日、アフガニスタンの首都カブールで現地時間7月31日朝(米東部時間30日夜)に空爆による対テロ作戦を実施し、国際テロ組織アルカーイダの最高指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者(71)を殺害したと発表した。ホワイトハウスから国民向けに演説し、「米国民を脅かす者は、どこにいようとも探し出して排除する」と述べた。

アルカーイダへの対テロ作戦としては2011年に米軍特殊部隊が当時の最高指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者を殺害して以降で最大の成果。

バイデン氏は、ザワヒリ容疑者の殺害で「世界はより平和になった」と述べ、米国の対テロ能力の高さを強調。「アフガンが再びテロの温床となることは決して許さない」とも語った。

米政府高官によると、米情報機関が今年に入り、同容疑者の妻や娘、孫らが移り住んだカブールの隠れ家に同容疑者も潜伏していることを確認した。7月下旬にバイデン氏が作戦を承認。31日朝、隠れ家のバルコニーにいる同容疑者に対し、ドローンから精密誘導ミサイル2発を発射し殺害した。家族や周辺住民への被害は確認されていないという。

ザワヒリ容疑者はエジプト出身。01年9月11日の米中枢同時テロ当時はビンラーディン容疑者の副官として組織運営やテロ作戦立案を担った。11年のビンラーディン容疑者殺害を受け最高指導者に昇格。アルカーイダが弱体化した近年も頻繁に動画を公表し、対米ジハード(聖戦)を呼びかけていた。