【ワシントン時事】2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島の拠点都市セバストポリにあるロシア黒海艦隊の司令部で20日、爆発があった。ラズボジャエフ市長は通信アプリで、司令部を狙ったドローンを撃墜したと発表した。クリミアでは今月に入り、ロシア軍の基地や弾薬貯蔵施設で爆発が相次いでいる。
市長は「ドローンは司令部の上空で撃墜され、屋根に落下して炎上した」と説明。「死傷者はなく、(司令部に)大きな被害はなかった」とし、ウクライナ軍による攻撃だと非難した。近隣住民らがソーシャルメディアに投稿したとされる動画には、黒煙が立ち上る様子が収められている。
これに関してウクライナ軍はコメントしていないが、クリミアで起きた一連の爆発をめぐり欧米メディアは先に、ウクライナ軍の精鋭部隊が関与していると伝えていた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日の国民向けビデオ演説で、「クリミアでは今年、占領は一時的なものであり、ウクライナが戻ってくるという空気をまさに感じることができる」と奪還を誓った。ウクライナは24日に旧ソ連からの独立記念日を迎える。ロシアの侵攻開始から半年の節目とも重なり、攻防が一段と激化する可能性がある。