[ワシントン 24日 ロイター] – バイデン米大統領は24日、ウクライナに対し30億ドルの追加軍事支援を提供すると発表した。 ロシアによるウクライナ侵攻開始以降で、一回に発表する軍事支援としては最大規模となる。

ロシアによる侵攻開始からこの日でちょうど6カ月が経過。ウクライナの旧ソ連からの31回目の独立記念日にもあたる。バイデン氏は声明で、ウクライナの独立記念日に触れた上で「米国は主権を守るために戦い続けるウクライナの人々への支援を確約する」と表明。今回の支援で「ウクライナは長期にわたり自国を防衛できるよう、防空システム、砲弾システム、弾薬、対無人航空機システム、レーダーなどの取得が可能になる」とした。

国防総省によると、今回発表された追加軍事支援には中距離の地対空ミサイルシステム「NASAMS」6基や対砲弾レーダー24基のほか、「PUMA」ドローン(小型無人機)や、小型ミサイルを発射してドローンを撃ち落とす「VAMPIRE」対ドローンシステムなどが含まれる。

今回の支援は既存の在庫から兵器を提供するのではなく、ウクライナ安全保障支援イニシアティブ(USAI)基金を活用し業界から提供する兵器を調達。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、ウクライナに届くまでにかかる時間は兵器の種類により異なるとし、地対空ミサイルシステムやレーダーシステムは他よりも時間がかかるとの見通しを示した。

国防総省のカール国防次官は、場合によっては最長3年かかる場合もあると指摘。「今回の支援策はウクライナが中長期的に必要とするものを提供することを目的としている」と述べた。

2021年1月のバイデン政権発足以来、米政府はウクライナに対し総額106億ドルの安全保障支援を確約している。