[東京 11日 ロイター] – 木原誠二官房副長官は11日の民放番組で、為替円安の要因と指摘される低金利政策について「金融政策は日銀の専管事項。私からとやかく言うべきではない」と語った。為替円安に関しては「過度な、一方的な為替の動きについては注意しながら、やるべき手立てはしっかりやっていく」とし、円安に伴う物価高に切れ目なく対応する考えを示した。
木原官房副長官は、低所得者層を念頭に「円安に伴う物価高はかなりインパクトがある」と指摘した。住民税非課税世帯を対象とする5万円給付については「生活を支える一時的なもの」とし、今後さらに「経済を強くし、賃金が上がる状況をしっかり作りたい」と述べた。
来月にも策定する総合経済対策では「補正予算も当然視野に入ってくる」と説明。「幅広く恩恵がおよぶ対策を考えていかなければいけない」と語った。
インバウンド(訪日外国人)観光客の受け入れ拡大にも言及し、「円安状況なのでインバウンドがもっとも効く。1日あたりの入国者数の上限、個人旅行をどうするか、観光ビザをどうするかはこれからしっかりと緩和に向けて検討し、しかるべきタイミングで実施していく」とした。緩和のタイミングに関しては「遠からずやらなければいけない」と明言を避けた。
一方、防衛力の抜本強化に向け財源をどうするかは「財源は中身による」と語った。
そのうえで木原副長官は「長期にわたって調達していかなければいけないものもある。こういったものを国債はだめだという立場を私自身は取らない」とし、「様々な財源を組み合わせて柔軟に考えたい」と述べた。