- ウクライナ軍、今月既に6000平方キロメートル奪還-ゼレンスキー氏
- ロシアのエネルギー収入が減少、1年2カ月ぶり低水準-制裁が効果
ロシアのプーチン大統領は今週、中国とインド、トルコ、イランの首脳それぞれと二国間協議を開催する。ロシア大統領府が発表した。プーチン氏はウズベキスタンで開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議を利用し、外交的孤立の打破を目指す。
ウクライナ軍が月初から東部と南部で奪回した領土は6000平方キロメートルを超えたと、ゼレンスキー大統領が主張した。
一方、アルメニアはアゼルバイジャンが領内を砲撃したと非難。両国は2020年にナゴルノカラバフを巡る争いが戦争に発展し、44日間で数千人の犠牲者を出した後、ロシアの仲介で停戦合意を結んでいた。ブリンケン米国務長官はこの合意が脅かされているとして、戦闘行為を停止するよう呼び掛けた。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
ロシアのエネルギー収入、1年2カ月ぶり低水準-制裁が効果
ロシアのエネルギー収入は8月に減少し、2021年6月以来の水準となった。ウクライナを巡る西側の制裁でロシアは原油を割引価格で売らざるを得ない上、欧州向けのガス輸出も減少した。ロシアの石油・ガス収入は国家予算の3分の1余りを占める。8月はウラル原油価格が10%上昇したにもかかわらず、前月比で約13%減少し、前年同月を3.4%下回った。
プーチン氏、中印首脳らと今週会談へ
ロシアのプーチン大統領はウズベキスタンのサマルカンドで開かれるSCO首脳会議で、15日と16日に中国とインド、トルコ、イランの首脳と会談する。中国の習近平国家主席にとっては、2年余りで初の外遊となる。
プーチン氏に辞任要求、モスクワなど地方議員約50人
プーチン大統領が「ロシアとその市民の未来を損ねている」として、辞任を要求する公開書簡に複数地域の地方議員約50人が署名した。
辞任要求運動を共同主催したドミトリー・バルトルコフ氏によると、モスクワやサンクトペテルブルクなど都市での署名数は着実に増え続けている。
独立系調査会社レバダ・センターが8月末に実施した調べによると、ウクライナでの戦争に対する市民の支持は76%と依然高い。
ロシア当局、愛国ブロガーらの戦争批判を警告
ロシアの愛国的軍事ブロガーらの間で同国軍のウクライナでの戦いぶりに批判が強まっていることに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官が警告を発した。同報道官は記者会見で「法の範囲内にとどまっている限り、社会的多元性と言える」としつつ、「だが、その線引きは非常に微妙で、慎重になる必要がある」と語った。ロシア当局はウクライナ侵攻反対派による戦争懐疑論には寛容さを示さず、軍に関する偽情報に刑罰を科す新法に基づき、罰金や実刑を科している。
仏大統領とバルト諸国首脳、追加軍事支援を協議
フランスのマクロン大統領とエストニアのカラス首相、リトアニアのナウセーダ大統領が13日に電話会談し、ウクライナの反攻進展を協議。会談についてカラス首相は声明で、バルト諸国とフランスはウクライナ支持で正しい道を進んでいたことが反攻の成功で示されたと述べた。また追加の武器支援を呼び掛け、ロシア国籍保有者に対する欧州連合(EU)のビザ発給制限はロシア政府に圧力をかける上で効果を発揮していると指摘した。
リトアニア大統領府の発表によると、3カ国首脳はウクライナに対する追加の軍事支援とザポリージャ原発の状況、エネルギー価格高騰へのEU対応策などを話し合った。
ロシア、出口模索している兆しない-ラトビア
ロシアがウクライナ侵攻を終わらせたいと考えている兆しはないが、勝利に必要な軍と資源はないと、ラトビアの情報当局が報告書で指摘。これは現在の激しい戦闘が来年春まで続くことを意味していると分析した。
ウクライナ軍、6000平方キロメートルを解放-ゼレンスキー氏
ウクライナ軍は今月に入り東部と南部で6000平方キロメートルの領土を解放し、なお進撃を続けているとゼレンスキー大統領が12日夜に発表した。
ロシア軍は11日と12日に「ウクライナのエネルギーインフラを攻撃」し、「数十万人のウクライナ人が停電」に見舞われたと説明。これは「今回の戦争を生み出した側が必死になっていることの表れ」で、ハルキウ州でのロシア軍の敗北に対する反応だと語った。
原題:Ukraine Latest: Macron, Baltic Leaders Discuss More Military Aid(抜粋)