[モスクワ 16日 ロイター] – ロシア中央銀行は16日、主要政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ7.5%とした。50bpの利下げは市場予想通りだった。ただ、さらなる引き下げの必要性を検討するとの政策見通しは今回は示さず、家計と企業のインフレ期待は依然高いと指摘した。ロシア中央銀行は16日、主要政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ7.5%とした。
中銀は、次回の政策決定時には、国内外の状況や金融市場の反応によるリスクとともに、実際と予想される物価の動きを考慮すると述べた。
9月9日時点で14.1%だったインフレ率については、今年末には11─13%になると予想。前回想定の12─15%から引き下げた。2023年は5─7%に減速するとの期待を改めて示した。
財政赤字が拡大した場合、24年にインフレ率を目標の4%にするために政策引き締めが必要になる可能性があると述べた。
ナビウリナ総裁は会見で「緩和サイクルの終わりに近づいており、次の一手が金利据え置きになるだけでなく、利上げに踏み切る可能性があることを受け入れる」と指摘。「しかし、利下げを排除するわけではない」とした。
また、16日の会合では50bp利下げ以外に25bp利下げや8%での金利据え置きも検討されたと明かした。
中銀は声明から政策金利に関するフォワードガイダンスを削除し、家計と企業のインフレ期待はなお高いとした。
セントロクレジットバンクのエコノミストは「利下げサイクル終了の可能性を明確に示唆した」とし、「早ければ来年前半にも利上げを開始する可能性は排除できない」と述べた。
中銀は、今年の成長率予想をマイナス4─6%で維持した上で縮小の程度は最も軽微なマイナス4%近くになる可能性があると述べた。4月下旬はマイナス8─10%と予想していた。
次回会合は10月28日の予定。