【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は25日午前6時53分ごろ(日本時間同)、西部・平安北道泰川一帯から日本海に向け短距離弾道ミサイル1発を発射した。防衛省によると、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。
防衛省によれば、最高高度約50キロ、通常の弾道軌道だとすれば約400キロ飛行したと推定される。変則軌道で飛行した可能性もあるという。北朝鮮は日米韓の探知や迎撃を避けるため、多様なミサイルの開発を進めている。
岸田文雄首相は記者団に「国連安保理決議に反するもので強く非難する」と述べた。また、情報収集・分析や航空機、船舶の安全確認、不測の事態に備えた万全の態勢を指示した。日本政府は北京の大使館ルートを通じて抗議を行った。
米インド太平洋軍は声明で「情勢を不安定化させる違法な弾道ミサイル計画」と批判した。
北朝鮮の弾道ミサイル発射は短距離8発を発射した6月以来。
韓国南東部の釜山には今月23日、米原子力空母「ロナルド・レーガン」が合同演習のため約5年ぶりに入港しており、北朝鮮はこれに反発した可能性もある。ハリス米副大統領は26~29日に日本と韓国の訪問を予定している。
韓国政府は、ミサイル発射を糾弾し、空母が参加する米韓合同演習を26~29日に実施すると発表。演習で「北朝鮮のいかなる形態の挑発も無力化する強力な意志を再確認する」と強調した。
韓国大統領府は24日、北朝鮮が近く潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射する兆候があると発表していた。ただ、25日のミサイルはSLBMの開発拠点のある北朝鮮東部・新浦とは別の内陸部から発射されており、SLBMの可能性は低いとみられる。韓国軍はSLBMなどのさらなる発射も警戒している。