ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東・南部4州の親ロシア派による「住民投票」の結果に基づき、30日に領土編入の手続きを行う公算が大きくなった。国営タス通信などが24日、議会関係者の話として伝えた。プーチン氏は上下両院議員を前に演説するとみられる。2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島と同じシナリオであれば、独立国家として承認した4州の親ロ派と「編入条約」に調印する可能性がある。
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2月からのウクライナ侵攻で厳しい対ロシア制裁が続く中、編入が決断されれば「現状変更の試み」として、日本を含む先進7カ国(G7)のさらなる措置は不可避。ウクライナは態度を硬化させ、頓挫している停戦交渉は遠のきそうだ。
タスなどによると、27日までの住民投票を受け、編入に関する法案が28日に提出され、29日に上下両院で審議される。編入の場合、ウクライナ軍による4州での反転攻勢は「ロシア領」への攻撃と見なされることになり、プーチン政権は「戒厳令」の選択肢も模索しているという。