• 英政権に打撃、ISM製造業景況指数、引き締め終了の検討呼び掛け
  • 米住宅価格が2009年来の大幅下落、カーダシアン氏がSECと和解
The Empire State Building in the Manhattan skyline in New York. Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

ニューヨーク市のオフィスビルは計500億ドル(約7兆2000億円)の価値減少リスクに直面していることが、全米経済研究所(NBER)の調査で明らかに。市内オフィスビルの不動産価値は新型コロナ禍の打撃を受けた2020年に約45%下がり、今後もコロナ禍前の水準を約39%下回って推移すると予想されています。その背景には、オフィス復帰率が依然として50%を切っていることがあるようです。朝晩の気温がぐっと下がるこれからの季節、ニューヨーカーの足はますますオフィスから遠のく気も。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

英政権に打撃

英政権は所得税の最高税率を45%から40%に引き下げる案を撤回すると明らかにした。クワーテング財務相が自身のツイッターアカウントを通じて声明を発表した。今回の方針転換は、発足してわずか1カ月の新政権にとって大きな痛手を伴う失点となる。それでもトラス首相は財務相を引き続き支持する姿勢。クワーテング氏自身も、この問題で辞任を検討したことはないと述べた。

予想以上の低下

米供給管理協会(ISM)が発表した9月の製造業総合景況指数は市場予想以上に低下し、この2年余りで最低の水準に落ち込んだ。受注の指数はこの4カ月で3回目の縮小圏で、明らかな景気低迷へと近づいていることが示唆された。9月は新規受注は47.1と、コロナ禍が始まった頃以来の低水準。雇用と入荷遅延の指数が低下したことも、総合景況指数を押し下げた。

あと1回で終了を

調査会社ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は、ドルの上昇継続が示唆するように金融市場には既に不安定化の兆しが見られると指摘。米金融当局は11月にあと1回利上げをした後は、今回の引き締めサイクルの終了を検討すべきだとの考えを示した。また、英ポンドと国債の崩壊を防ぐためイングランド銀行(英中央銀行)が先週行った劇的な介入について、今後繰り返される可能性が高いと警告した。

住宅ブーム反転

米住宅価格は下落に転じ、前月比で2009年以来の大幅な値下がりとなっている。不動産関連の持ち株会社ブラック・ナイトが3日発表したリポートによると、8月の中央価格は前月比0.98%下落。7月は同1.05%下落だった。この2カ月の値下がりは09年1月以来で最大。住宅ローン金利の急上昇で国民の住宅取得能力は1980年代以来の低さとなっている。

1.8億円で和解

米証券取引委員会(SEC)は、リアリティー番組で人気のキム・カーダシアン氏を提訴。同氏が暗号資産(仮想通貨)を宣伝した際に宣伝料を受け取っていたことを開示しなかったとしている。SECによれば、同氏はイーサリアムマックスが提供するトークンについてインスタグラムに投稿した際、25万ドルの支払いを受けていた。カーダシアン氏は126万ドル(約1億8300万円)を支払うことでSECと和解した。

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