[カイロ 13日 ロイター] – サウジアラビアは13日、同国が盟主である石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスの大幅減産が政治的決定だとする批判について「事実に基づいていない」と反論した。米政府が再び反発して応酬となり、両国関係の冷え込みがさらに鮮明になった。
バイデン米大統領は記者団に、この問題についてサウジ側と近く協議すると述べた。
サウジ外務省は声明で、減産は需給のバランスを考慮しコンセンサスで決定し、市場のボラティリティー抑制も意図したとして、消費国と産油国双方の利益に沿っていると主張。匿名のサウジ当局者の発言を引用し、「純粋に経済的事情」で減産が決まったとした。
10月5日の決定前に米国との協議で減産を1か月遅らせるよう求められたことにも言及。「あらゆる経済的分析に鑑み、減産を1か月先送りすれば経済上のマイナスの影響をもたらすと一連の対米協議で明確に伝えていた」とした。
声明はサウジと米国の関係を「戦略的」と位置付け、相互の尊重が重要だとも強調した。
減産決定後、米国側は「OPECプラスはロシアにくみしている」と厳しく非難。バイデン大統領は今週、決定によって米国とサウジの関係に「重大な結果」が生じることになると表明した。米政府内では減産決定によって11月の米中間選挙前にガソリン価格が上昇しかねないとの懸念が強まっている。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は13日に声明で、サウジには生産目標を引き下げる根拠が市場で見当たらないとの分析結果を提示し、状況を見極めるために1カ月後に決定を持ち越すよう促したと説明。また、サウジ以外のOPEC加盟国はサウジの決定を支持するよう「強制された」と感じたと米国に伝えてきたと明かした。