- 台湾との統一に向け「歴史の車輪は前進」-武力行使の放棄約束せず
- テクノロジーの「自立」強く呼び掛け、共同富裕で格差是正にも意欲
中国共産党の習近平総書記(国家主席)は16日開幕した第20回党大会で活動報告を行い、中国の国際的影響力が高まったと宣言しながらも、今後は「危険な嵐」が控えていると警鐘を鳴らした。党トップとして異例の3期目続投が決まると見込まれる今回の大会の冒頭、習氏は挑戦的な調子を打ち出した。
習総書記(69)は約2時間に及んだ活動報告で、「中国の国際的な影響力や訴求力、世界の形成力は顕著に高まった」と主張する一方、中国は「強風や高波、そして危険な嵐にも」備える必要があるとし、国際環境の一段の不安定化を警告した。
「国際情勢の急激な変化に直面しても、われわれは断固かつ戦略的決意を保ち、闘争精神を発揮した」と習氏は評価。「こうした取り組みでわれわれは中国の尊厳と核心的利益を守り、発展の追求と安全保障の確保で好位置に付けた」と述べた。
台湾問題に関しては国家統一に向けて「歴史の車輪は前に進んでいる」と主張。祖国統一は「疑いなく実現できる」と表明した。武力行使の放棄は決して約束しないとも語った。
2340人余りの代表を前にした習氏は、新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策について、「われわれは人民の生命・健康と安全を可能な限り最大限守ってきた」と表明。香港については秩序を取り戻し、状況が「大きく改善」したと述べた。
経済
経済に関しては、党の統治において発展が「最も重要な任務」だと言明。これまでの党大会の演説で使われてきた表現を踏襲し、おおむね同じ目標を堅持した。また、「発展と安全保障の両立」や「共同富裕」「双循環」といった最近の政策スローガンにも触れ、共同富裕を巡り「所得分配と富の蓄積メカニズムの管理」を呼び掛け、所得格差是正に関する文言を強めた。
「質の高い発展はあらゆる面で社会主義現代化国家の建設の最も重要な任務だ」と習氏は述べた。
さらに、習総書記はテクノロジーの「自立」を強く呼び掛けた。2017年の前回党大会では言及がなかった同表現を今回は少なくとも2回使った。米政府は中国のテクノロジー面の野心を抑え込もうと規制の強化に動いており、中国にとっては自立の重要度が増している。
今回の開幕式には江沢民元総書記と朱鎔基元首相の姿がなかった。両氏はいずれも90歳を超え、健康状態が優れないとされる。胡錦濤、温家宝両氏は出席した。
原題:Xi Says China’s Power Has Increased, Warns of ‘Dangerous Storms’、
Xi Calls Taiwan Dispute ‘Chinese Matter,’ Pushing Back at US(抜粋)