• 英国からの教訓を学び、米国の財政予測を注意深く見守る必要ある
  • 石油価格がインフレの新たな押し上げ要因になるリスク
Lawrence Summers, president emeritus and professor at Harvard University, speaks during the Institute of International Finance (IIF) annual membership meeting in Washington, DC, US, on Friday, Oct. 14, 2022.  Photographer: Ting Shen/Bloomberg

サマーズ元米財務長官は英国で最近起きた危機について、米国など各国・地域の政策当局者は財政に関する教訓として心に留めるべきだと述べた。英国の問題が特殊なものだと片付けるべきではないとしている。

  ブルームバーグテレビジョンの番組でサマーズ氏は、他国が同様の問題に直面しないと結論づけるのは「本当の間違いだ」と言明。英国から学ぶべき最初の教訓は「状況は異常な速さで変わり得るということだ」と語った。

  ハーバード大学の教授でブルームバーグテレビジョンの寄稿者でもある同氏は、借り入れコスト急騰に伴う財政赤字拡大は信用を揺るがす恐れがあるため、各国・地域の政府は予算にますます注意を払う必要があると指摘。「財政赤字予測がコントロールを失い始め、実質金利が急速に上昇し始めれば、一種の破滅ループに陥りかねない」と警鐘を鳴らした。

  その上で「米国の財政予測を注意深く見守る必要があるだろう」と続けた。

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  米国のインフレを巡っては、石油価格高騰が新たな押し上げ要因になるリスクがあると指摘。「ロシア・サウジの枢軸」と米国との間の「対立」が懸念材料だと述べた。バイデン政権はサウジによる最近の減産への取り組みを非難し、ロシア産石油価格の上限設定を追求している。

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  サマーズ氏は「非常に難しい時期となるだろう。石油価格の急騰を避けながら乗り切ることを望んでいる」とコメント。「しかし、それは起きてしまうというのが私の推測だ」と付け加えた。

原題:Summers Warns on ‘Doom Loop’ Risks in Debt, Price Spike in Oil(抜粋)