中国で行われた共産党大会の閉会式で、胡錦涛前国家主席が関係者に促されるようにして途中で退席したことについて、中国外務省の報道官は事実関係の確認を避けました。

中国で、22日に行われた共産党大会の閉会式では、習近平国家主席の隣に座っていた胡錦涛前国家主席が、関係者に促されるようにして途中退席する一幕がありました。

これについて、国営の新華社通信はその日の深夜、英語版のツイッターで「胡前主席は最近、療養中だったにもかかわらず党大会に出席し、体調が悪くなったため、大事をとってスタッフが部屋で休ませた。今はかなりよくなっている」と伝えました。

インターネットの規制が厳しい中国ではツイッターは自由に閲覧できず、胡前主席の途中退席についてはこれまでのところ、国内でいっさい報じられていません。

中国外務省の汪文斌報道官は24日の記者会見で、胡前主席の途中退席について問われ「新華社通信の記者が関連する情報をすでに伝えている」とだけ述べ、中国政府としては事実関係の確認を避けました。

胡前主席の途中退席の理由をめぐっては、体調面で問題があったとする見方や政治的な背景があるとする臆測が出ていますが、はっきりとしたことは分かっていません。