[東京 24日 ロイター] – 日銀の黒田東彦総裁は24日午後の参院予算委員会で、実質賃金が低下しているのは「極めて好ましくない状況」であり、賃金上昇を伴う形で2%の物価安定目標が達成されるよう最大限の努力をしていきたいと述べた。

川田龍平委員(立憲民主・社民)が、給与が上がらない中で物価が上昇している日本経済の現状をどのように認識しているか、黒田総裁に質した。

総裁は、現時点で賃金の上昇率が物価の上昇率を下回っており「実質賃金が低下している」と指摘。この状況は極めて好ましくなく「賃金上昇を伴う形で物価が安定的に2%に達するということが望ましい」と語った。

主要国の中で低金利政策をとり続けている理由について、総裁は、日本経済がコロナ禍からの回復が不十分であり、景気を下支えすることが重要だと指摘。さらに、足元の物価押し上げ要因が減衰し、来年度以降の物価上昇率が2%を下回る見通しであるとも説明した。