- 米GDP統計、ECB大幅利上げ、メタ株急落
- アップル・アマゾン決算、クレディ・スイスの戦略
米10年債利回りが4%を下回る水準にとどまりました。米経済成長率が3四半期ぶりにプラスに転じ、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げと共に追加利上げを示唆したにもかかわらずです。景気と物価にいろいろな状況が見られる上、金融政策への影響もさまざまな解釈が可能。しばらくは方向感が出にくい展開になるかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
3四半期ぶりの成長
7-9月の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.6%増と、3四半期ぶりにプラス成長となった。予想中央値は2.4%増だった。個人消費が1.4%増え、市場予想(1%増)を上回った。サービス支出は2.8%増。一方、財への支出は1.2%減少し、3四半期連続のマイナスとなった。 設備投資は機器と知的財産がけん引する形で力強く拡大した。個人消費支出(PCE)価格指数は、7-9月に年率4.2%上昇。2020年10-12月(第4四半期)以来の低い伸びにとどまった。
景気よりインフレ
ECBは0.75ポイントの利上げを発表した。中銀預金金利はこれまでの2倍となり、10年余りで最高。リセッション(景気後退)の可能性が高まる中でも記録的インフレを抑え込むことを優先した。0.75ポイント利上げはエコノミストの予想通りだった。7月利上げ前までマイナスだった中銀預金金利は1.5%に引き上げられた。ECBは「インフレ率は引き続きあまりにも高く、長期にわたって目標を上回り続ける見込みだ」と指摘。政策委員会は「一段の利上げを想定している」と表明した。短期金融市場では利上げ幅予想が低下し、ユーロは下げ幅を広げた。
「忍耐」求める
フェイスブックの親会社、メタ・プラットフォームズの株価が急落。一時25.8%下げた。前日の取引終了後に示した10-12月(第4四半期)売上高見通しは、アナリスト予想の下限付近にとどまった。デジタル広告各社がすでに厳しい時期を迎えている中、同社はまだ実績が乏しい分野での取り組みを強化している。これに絡むコスト急増にマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は言及し、投資家に「忍耐」を求めた。同氏は短編動画やビジネス用メッセージサービス、メタバースといった領域に大きく賭ける取り組みが正しい方向に向かっていると確信していると言明した。
注目決算
アマゾンが27日夕に発表した10-12月(第4四半期)売上高予想は1400億-1480億ドルと、市場予想(1555億2000万ドル)を下回った。株価は時間外取引で21%の急落。7ー9月(第3四半期)は増収となったが予想を下回った。アップルが発表した7ー9月(第4四半期)は収入が901億5000万ドルと、市場予想(886億4000万ドル)を上回った。ただ、サービス収入が予想を下回ったほか、スマートフォン「iPhone」の売り上げが予想にわずかに届かなかった。株価は時間外で下げ幅を拡大し、4%安。
戦略に失望
スイスの銀行クレディ・スイス・グループが27日発表した大規模な事業戦略について、多くのアナリストや投資家は幾つかの最も決定的な要素がしばらく確定しないとして懸念を示したほか、同行の事業変革が十分な内容かどうか疑問を呈する声も上がった。クレディSの株価は27日に19%急落して引けた。1日当たりの下落率として過去最大だった。
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