スロベニア政府は26日、ウクライナが放射性物質を含む「汚い爆弾」(ダーティーボム)を開発している「根拠」としたロシア外務省のツイートの画像に使われた写真について、10年以上前にスロベニアで撮影された煙感知器だと指摘した。

 スロベニアのゴロブ首相の顧問は、AFP通信の取材に「ロシア外務省のツイートの写真は、放射性廃棄物を管理するスロベニアの政府機関が2010年に撮影したものだ」とコメント。「知らない間に悪用されていた」と話している。

 ロシア外務省は問題のツイートで「ウクライナによる『汚い爆弾』の開発能力」と題した画像を掲載。スロベニア語が書かれた袋に詰められた白い筒状のものを「使われた材料:ウラン235、プルトニウム239」と紹介した。スロベニア政府の公式アカウントのツイートによると、写真は政府の説明資料に使われたものだという。

 ロシアは、ウクライナが汚い爆弾を使おうとしていると主張。ウクライナは否定し、米国などが証拠がないと批判している。(日高 奈緒)

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