- ロシアは黒海艦隊の艦艇が無人機の攻撃を受けたとして、合意停止
- 毛布と発電機送ってくれ。それなしにはわれわれは凍死-キーウ市長
バイデン米大統領は29日、ロシアが国連などの仲介で合意したウクライナ産穀物輸出の再開を停止したことについて、「全く言語道断だ」と発言した。欧州連合(EU)と英国もロシアの決定を非難した。
ロシアは同日、黒海艦隊の艦艇が無人機の攻撃を受けたとして、合意の停止を発表した。同発表の後で、ウクライナ全土で空襲警報が聞かれた。
ロシア銀行(中央銀行)はウクライナ侵攻直後以降で初めて政策金利を据え置いた。戦争への「部分動員」令後にインフレ上昇リスクが強まっていることに言及した。
ロシア中銀、政策金利を据え置き-「部分動員」令後にインフレリスク
ロシアのショイグ国防相は、ウクライナでの軍事作戦への人員補充に向けた部分動員令に基づく予備役30万人の招集が完了したと発表した。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
米大統領、ロシアの穀物輸出合意停止は「飢餓増大させる」
バイデン大統領はデラウエア州ウェルミントンで、中間選挙の期日前投票後に、ロシアの穀物輸出合意停止が「飢餓を増大させる」と述べ、彼らがそれを行う理由は全くないと指摘した。
ウクライナ大統領、ロシアは食料危機を故意に悪化させている
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの穀物輸出合意停止について、「予想されたこと」だったと述べ、既に170隻がロシア側の検査対象になっていることを明らかにした。
同大統領は夜のビデオ演説で、「200万トン余りの食料が海上にある」として、「アルジェリアやエジプト、イエメン、バングラデシュ、ベトナムなどがロシアの輸出阻止の決定で不安定化する恐れがある」と述べた。
同大統領はロシアの決定に関して、国連や20カ国・地域(G20)を含めた国際社会の力強い対応を促し、「ロシアが幾つかの大陸での飢餓を故意に起こそうとしているなら、どうしてG20のメンバーであることができるのか」と訴えた。
EUと英国もロシアの穀物輸出合意停止を非難
EUのナビラ・マスラリ報道官は穀物輸出合意について、「世界中で数百万人の食料入手にプラスの影響を明確に与える極めて重大な人道的な取り組みだ」と語った。
クレバリー英外相もロシアとの穀物輸出再開合意に関して「世界的な食料安全保障に有益なものだ」とツイートした。
キーウ市長、冬季に向けて迅速な支援を訴え
ウクライナ首都キーウのクリチコ市長は英紙テレグラフとの28日のインタビューで、「毛布と発電機を送ってくれ。それなしにはわれわれは凍死するだろう」と語った。
同市長は「国民の命を救い、保護するためにできる限りのことを行っている」としたうえで、「今冬はわれわれにとって間違いなく難題になろう」と述べた。
ECB総裁、プーチン大統領による侵攻が団結につながった面も
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は28日にアイルランド公共放送RTEで、プーチン大統領によるウクライナ侵攻が「混沌(こんとん)を生み出し欧州を可能な限り破壊しようとするものだ」と語った。その上で、プーチン大統領の行動はウクライナ人を再び団結させ、「 NATOを活性化させ、欧州人を確かに団結させた」とも述べた。
ただ、自身の見解を述べた後に、自分は「単なるセントラルバンカー」であり、従って「こうしたことは言うべきではないだろう」と強調した。
原題:Ukraine Latest: Biden Calls Russian Grain Blockade ‘Outrageous’、
Ukraine Latest: Biden Questions Putin’s Nuclear Denials(抜粋)