[サンパウロ/ブラジリア 31日 ロイター] – ブラジルで30日投開票された大統領選の決選投票で、左派のルラ元大統領(77)が右派の現職ボルソナロ大統領(67)に勝利したものの、ボルソナロ氏は31日になっても敗北を認めておらず、政権交代が円滑に進むか懸念が高まっている。

選挙管理を統括する高等選挙裁判所は、得票率はルラ氏が50.9%、ボルソナロ氏が49.1%だったとして、ルラ氏が次期大統領に決まったと発表。30日の夜に何万人ものルラ氏の支持者がサンパウロの街頭に集まったほか、米国、中国、ロシア、ドイツ、フランスなどの首脳がルラ氏に祝意を伝えた。

こうした中、ボルソナロ氏は31日朝、自宅を出て大統領官邸に向かったが、なお沈黙を守り続けている。ボルソナロ陣営の関係者はこれまでロイターに対し、ボルソナロ氏は31日まで公の発言をしないと明らかにしている。

ルラ氏は、サンパウロのパウリスタ通りで支持者に向けて演説し、「ボルソナロ氏が私の勝利を認めるかは分からない」と表明。市場もルラ氏の組閣を巡る情報やボルソナロ氏の動向を見守る中、連邦道路警察によると、ボルソナロ氏を支持するトラック運転手がブラジル全土の高速道路を封鎖し、少なくとも70カ所で全面的、もしくは一部が封鎖されている。