[北京 30日 ロイター] – 中国の江沢民・元国家主席が30日、死去した。96歳。国営メディアが伝えた。
新華社通信によると、午後0時13分(日本時間午後1時13分)、白血病と多臓器不全により上海で死去した。
共産党と全国人民代表大会(全人代、国会に相当)、国務院(内閣に相当)、軍が国民に宛てた書簡で死去を発表。
書簡は「江沢民同志の死去は党や軍、そしてあらゆる民族集団の国民にとって、計り知れない損失だ」とした。
尊敬される卓越した指導者であり、偉大なマルクス主義者、政治家、軍事戦術家、外交家、共産主義の戦士だったと江氏をたたえた。
国営メディアによると、習近平国家主席はラオスのトンルン・シースリット国家主席と会談した際、中国は「悲しみを力に変える」と述べた。
江氏は、民主化運動を武力で弾圧した1989年の天安門事件後から2002年まで共産党総書記、93年から2003年まで国家主席を務め、急速に成長する中国を率いた。
02年に胡錦濤氏に引き継ぎ総書記を引退した当時、胡氏の周りは江氏派であふれていたという。
人民日報や新華社などの国営メディアのサイトは江氏の死去を受けて白黒のデザインとなった。
ソーシャルメディア(交流サイト)のウェイボー(微博)には、「一時代の終わり」とのコメントが多く寄せられた。江氏は民主化を求める学生デモを鎮圧したにもかかわらず、当時を楽観的で経済自由化と政治的自由への希望に満ちた時代として懐かしむ声も上がっている。
また江氏は、中国を外交的孤立から脱却させ、米国との関係を修復したことでも知られる。インターネット上には、ビル・クリントン元米大統領との会談の動画や、満面の笑みを浮かべる両氏の写真が多数投稿されている。