[ドバイ 11日 ロイター] – サウジアラビアのファイサル外相は11日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれた会議イベントの壇上で、イランが使用可能な核兵器を保有するシナリオについて問われ、そのような場合には湾岸諸国はそれぞれの安全保障強化をどう確保できるかを考えなければならないことになるのは明白だとの見解を示した。
ファイサル氏は「すべては一変する」と発言。地域の情勢は極めて危険をはらんでいると強調した。
2018年のトランプ前米政権による15年のイラン核合意離脱後、バイデン米政権は合意修復を模索してきたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあって両国の間接協議は今年9月ごろから停滞している。
湾岸諸国はイランのミサイルやドローン計画や地域の親イラン組織のネットワークを警戒し、これに対処するためイラン核合意をより強力な合意につなげることをさかんに求めてきた。
ファイサル氏はサウジとしては現状では核合意の修復になお懐疑的だと表明。「修復の見込みは現状では残念ながらそれほど明るくない」と指摘した。その一方で、合意が終着点ではなく、イランとのより強力な合意を目指す出発点になるという前提で、サウジは修復努力を支持すると強調した。
その上でファイサル氏は「われわれはイラン側から、核兵器開発には関心がないとの説明を聞いている。それを信じることができればとても気が楽だ。そうなれるようもっと安心させてもらえることがわれわれには必要だ」と主張した。