[シカゴ 13日 ロイター] – 米医薬品のモデルナとメルクは13日、新型コロナウイルスワクチンで使用されたメッセンジャーRNA(mRNA)技術を活用したがんワクチンに関する中期臨床試験で、皮膚がんの一種であるメラノーマ(黒色腫)治療で有効性が示されたと発表した。
両社によると、モデルナ製の個別がんワクチンとメルク製のがん治療薬「キイトルーダ」を併用すると、キイトルーダの単独使用に比べ、メラノーマの再発や死亡リスクが44%低下した。
臨床試験は、ステージ3もしくはステージ4のメラノーマ患者157人を対象に実施。腫瘍を完全に切除した後、再発を遅らせる目的でワクチンとキイトルーダの併用、もしくはキイトルーダ単独での治療が行われた。
併用療法による効果は試験開始から1年後に示された。重篤な副作用はキイトルーダの単独使用では10%、併用療法では14.4%と、おおむね安全であることも示された。
メルクとモデナは今後、今回の結果について規制当局と協議し、2023年にメラノーマ患者を対象としたより大規模な第3相試験を開始する計画。
モデルナの株価は約25%急伸。メルクも約2%上昇した。モデルナと同様、mRNA技術で知られる独ビオンテックも約6%上昇した。