[15日 ロイター] – 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同社株2200万株、36億ドル相当を売却していたことが有価証券報告書で明らかになった。年初からの売却額は400億ドル近くに上り、株価が2年ぶりの安値に低迷する中、同社株を保有する投資家は不満を募らせている。

売却は14日までの3日間で行われた。マスク氏による10月のツイッター買収後では2回目のまとまったテスラ株売却となる。先月は約40億ドル相当を売却していた。

売却がツイッター買収に関係しているかは不明だが、テスラ株主はマスク氏がテスラよりもツイッターの経営に関心と資源を集中させているとの印象を受けている。

テスラ株を好む小口投資家を顧客に持つ証券会社IGマーケッツのアナリスト、トニー・シカモア氏は「(株売却は)事業の信頼向上につながる動きではないし、マスク氏の関心がどこにあるのかも物語っていない」と指摘。「テスラ株を持っている多くの投資家と話したが、マスク氏に激怒している」と語った。

テスラとマスク氏からはコメントを得られていない。リフィニティブのデータによると、マスク氏のテスラ株保有率は13.4%で、1年前の約17%から低下している。

テスラの株価は今年に入って半減し、S&P自動車株指数やナスダック総合よりも大きく下げている。