岸田政権が、政府と日本銀行の役割を定めた共同声明を初めて改定する方針を固めたことが17日、複数の政府関係者への取材で分かった、と共同通信が報じた。2%の物価上昇目標の柔軟化を検討するとしており、日銀が黒田東彦総裁の下で進めてきた大規模金融緩和の修正につながる可能性があるという。

  共同通信の報道によると、「できるだけ早期に実現する」としている2%の物価目標の柔軟化を検討し、岸田文雄首相が来年4月9日に就任する次期日銀総裁と協議して内容を決める。共同声明の改定は2013年の公表以来初めてで、欧米の中央銀行が物価高対応で金利を引き上げる中、物価目標に縛られて大規模な金融緩和を続ける日銀の選択肢の幅を広げるのが狙いという。

  黒田総裁はこれまで、大規模金融緩和を正当化する理由として、13年の共同声明を引き合いに出してきた。木原誠二官房副長官は今月行われたブルームバーグとの英語でのインタビューで、政府・日銀が「新たな合意を結ぶ可能性はあるものの、現在の合意内容と異なるものになるかどうかは分からない」と語っていた。