[アンカラ 16日 ロイター] – トルコのエルドアン大統領は、同国議会が北欧スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟を批准する前に、両国が最大130人の「テロリスト」をトルコに送還もしくは引き渡す必要があるという認識を示した。

フィンランドとスウェーデンは昨年、ロシアのウクライナ侵攻を受け、NATOへの加盟を申請。両国の加盟に当初難色を示していたトルコは、同国がテロ組織と見なすクルド人勢力の身柄引き渡しなどを条件に承認する考えを示していた。

エルドアン大統領は15日夜、「テロリストをわれわれに引き渡さければ、議会を通過できないと明確にしている」とし、「議会通過にはまず100人以上、130人程度のテロリストを引き渡す必要がある」と語った。

エルドアン大統領の発言について、フィンランドのハービスト外相は16日、先週スウェーデンで起きたエルドアン大統領の人形を逆さづりにする抗議活動に言及し、「ここ数日起きた出来事へのリアクションだと確信している」とし、トルコから正式に新たな要求があったことは認識していないと述べた。

また、スウェーデンのクリステション首相は、トルコからのNATO加盟批准獲得に向け「良い位置にいる」という見方を示した。