- 中国恒大の取締役会がPwCの辞退を勧告した-届出書
- 上会栢誠会計師事務所(Prism)を暫定監査役に起用
中国の不動産開発大手、中国恒大集団は会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が16日に監査役を辞退したと明らかにした。中国不動産危機の中心的存在である同社にとって逆風が強まった。
当局への届出書によると、両社は「資産減損の査定に必要な手続き」に加え、「継続企業ベースでの評価の作業スケジュールと範囲について合意」できなかったことから、中国恒大の取締役会がPwCの辞退を勧告した。
また中国恒大は、2021年財務諸表の監査遅延は債務再編の取り組みを妨げるとし、「監査の作業をできるだけ早期に完了する」ため別の監査役の起用を決めたとした。
同社取締役会は次回年次総会の完了まで上会栢誠会計師事務所(Prism)を暫定監査役に起用することを決めたと明らかにした。
PwCは中国恒大の監査委員会と取締役会に宛てた16日付の辞退の書簡で、21年監査の「重要事項」に関していまだに情報を受け取っていないとし、それにはグループの連結財務諸表さえも含まれると説明。こうした情報の不足は、PwCとして追加の作業の範囲を確定できず、監査完了に必要な期間の合理的な推計を示す立場にもないことを意味すると指摘した。
PwCの広報担当者はコメントを控えた。中国恒大とPrismに通常の営業時間外にコメントを求めたが、今のところ返答はない。
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原題:Evergrande Says PwC Resigns After 2021 Audit Disagreements (1)(抜粋)