[東京 20日 ロイター] – 政府が3年後の2026年度に新規国債発行額を32兆円台に抑制できると想定していることが新たに判明した。23年度予算審議に併せて国会に提出される「後年度影響試算」をロイターが確認した。防衛費が膨らむなどして歳出は過去最大となるが、高い経済成長率を前提に、主財源となる税収も増える姿を描く。
名目経済成長率3%を前提とした試算では、26年度の歳出を115.6兆円と置いた。23年度当初(114.4兆円)からの伸びは1.2兆円程度で、再び過去最大を更新する想定だ。
歳入では、税収が77.4兆円になると見込むほか、特別会計繰り入れや日銀国庫納付などの税外収入を集めれば合計で83.2兆円を確保できるとみる。国債での穴埋めが必要となる歳出入の差額は32.3兆円となる。
年末に決めた23年度予算案では国債発行額を35.7兆円としていた。実際に同水準まで抑えられれば23年度からは3.4兆円程度の減額で、過去10年でみても最も少ない発行予定額となる。
もっとも経済成長に伴う企業業績の回復を維持できなかったり、金融政策の正常化観測で国債利回りが急上昇すれば、防衛や教育などにまわす政策余力が低下しかねない。
試算によると、成長率が1%低下すれば税収を2.4兆円押し下げるほか、金利が1%上昇すれば国債費が想定より3.6兆円かさむ。