【ワシントン時事】米政府は20日、北朝鮮がロシア民間軍事会社「ワグネル」を通じてロシアに武器・弾薬を供与した証拠写真を公開した。同時に、ワグネルに対して来週にも「国際犯罪組織」の認定を含む追加制裁を科すと発表した。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が記者会見で語った。
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カービー氏は昨年12月、北朝鮮によるロシアへの武器納入を公表していた。北朝鮮はこれを否定していたが、カービー氏は「偽りの否定だ」と反論した。
証拠写真は昨年11月18日にロシアから鉄道車両5両が北朝鮮に移動し、翌日輸送用コンテナを積んでロシアに戻った様子を収めたもの。これらの情報は国連安全保障理事会とも共有したという。
カービー氏はまた「国際犯罪組織の認定と合わせ、われわれはワグネルと複数の大陸にまたがるその支援ネットワークに対する追加制裁を科す予定だ」とも述べた。米政府に国際犯罪組織と認定されると、米国内の資産が凍結されるほか、米国人との資金や物品などの取引が禁止される。
さらに、ワグネルとロシア軍・国防省などとの間で緊張が高まっているとも強調。ウクライナでの作戦難航を巡って、ワグネルが国防当局を公然と批判しており、「ワグネルはロシア軍や閣僚に対抗する権力中枢となりつつある」との見方を示した。