[ワルシャワ/モスクワ 22日 ロイター] – バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は21日、世界とウクライナ戦争について全く異なる見解を示した。バイデン氏は民主主義を守ると表明。プーチン氏は西側がロシアの安全保障に脅威をもたらしていると主張した。
プーチン氏はモスクワで演説し、米国との新戦略兵器削減条約(新START)の履行を停止すると発表。ウクライナを巡り西側に警告を発した。バイデン氏は訪問先のポーランドで演説し、ロシアが侵攻を続けるウクライナへの「揺るぎない」支援とコミットメント強化を表明した。
バイデン氏は「ロシアが侵攻したとき、試練を受けたのはウクライナだけではない。全世界が長く記憶に残る試練に直面した」と指摘。
米国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は侵攻を受けて、主権のため、侵略のない生活を送る人々の権利のため、民主主義のために立ち上がったとし、「ウクライナへの揺るぎない支援や、NATOが分裂も疲弊もしないことは疑う余地がない」と述べた。
プーチン氏は、西側諸国が紛争をロシアとの世界的な対立に発展させようとしており、ロシアの存立が危ぶまれているとの認識を示した。
「彼らは地域の紛争を世界的な対立に変えるつもりだ。われわれはこのように理解しており、それに基づいて対応するだろう」と語った。
バイデン氏は、西側諸国がウクライナへの支援を通じてロシアを支配・破壊しようとしているというロシアの主張を否定した。
その上で、民間人を標的にし人道に対する罪を犯しているとロシアを非難した。
プーチン氏は昨年9月に行った2回の演説で、必要であればロシアを守るために核兵器を使用する可能性を示唆。21日の演説では、1週間前に「新たな地上戦略システムを戦闘任務に就かせる」とする法令に署名したと述べた。どのシステムを指しているのかは現時点では明らかではない。