エジプトのギザにあるクフ王のピラミッド内で新たに発見された空間(エジプト観光・考古省提供)
エジプトのギザにあるクフ王のピラミッド内で新たに発見された空間(エジプト観光・考古省提供)

     【カイロ時事】エジプト観光・考古省は2日、首都カイロ近郊ギザにあるクフ王のピラミッド内に新たに通路のような空間を発見したと発表した。エジプト考古学の権威ザヒ・ハワス博士は報道陣に「今世紀最大の発見だ」と強調。約4500年前に建てられたとされるピラミッドの内部構造の解明につながる手掛かりとなるか期待される。

    〔写真特集〕ピラミッドのある風景

     見つかった空間は、幅約2メートル、奥行き約9メートル。ピラミッドの北側、内部に通じる入り口の上部に位置する。

     調査は2015年に始まり、エジプトやフランスなどに加え、日本の研究者らも参加。宇宙線が地球の大気に衝突して生じる「ミュー粒子」を利用し、ピラミッド内部を「透視」する名古屋大の技術により、未知の空間の存在が確認され、今回、スコープによる内部撮影で実証された。

     イーサ観光・考古相は会見で、「重要な科学的プロジェクトの成果だ」と誇示した。

     クフ王のピラミッドは、世界遺産にも登録されている「ギザの三大ピラミッド」のうち最も大きいが、建造方法や用途など多くの謎が残されたままとなっている。