【ベルリン時事】イランを訪問した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、ウィーンの空港で記者会見し、イラン中部フォルドゥの核施設で核兵器級に近い濃縮度83.7%のウラン粒子が検出された問題について「その水準の濃縮ウランは蓄積されていない」と述べた。また、イラン原子力庁との共同声明を発表し、核施設への監視を強化することで合意したと明らかにした。
グロッシ氏は高濃縮のウラン粒子が意図的に作られたものかどうかに言及せず、「この種の施設では偶発的に起こり得る」と解説した。「濃縮過程で起きた意図しない変動の可能性」とするイラン側の説明をおおむね受け入れた形だ。一方、イランが手掛ける濃縮度60%のウラン製造に関し「既に相当に高い水準だ」と懸念を示した。