[ワシントン 7日 ロイター] – 米情報当局が検証した新たな情報で、昨年9月のロシアと欧州を結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」に対する攻撃は、ウクライナ人またはロシア人で構成される親ウクライナ派グループが実行した可能性があることが示唆された。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が7日、報じた。ただ、確固たる結論は出ていないとしている。

NYTは米政府関係者の話として、ウクライナのゼレンスキー大統領や他のウクライナ政府関係者が攻撃の背後にいたことを示す証拠はなかったと報じている。

ロイターはこの報道の内容を独自に確認できていない。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、ドイツ、スウェーデン、デンマークが実施している調査の終了を待っているとし、「バイデン大統領もこれまで述べているが、これは破壊行為だったと認識している。調査終了後にどのような行動が適切か検討しなければならない」と述べた。

ドイツはNYTの報道は承知しているとしながらも、ドイツが実施している独自の調査ではまだ結果は出ていないとした

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、ウクライナはノルドストリームに対する攻撃に「絶対に関与していない」と表明。何が起きたのか、全く情報を持っていないと述べた。

ノルドストリームを建設したロシア国営ガスプロムからコメントは得られていない。

ロシア外務省のザハロワ報道官は、こうした報道が出てきたことで、ロシアが要請している真相解明の必要性が改めて強調されたと指摘した。ロシアは先月、国連安全保障理事会に決議案を提出。承認されれば、責任を特定するための国際的な調査を要求すると見られている。