[ワシントン 21日 ロイター] – 全米リアルター協会(NAR)が21日に発表した2月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比14.5%増の458万戸と13カ月ぶりに増加に転じた上、2020年7月以降で最大の増加を記録し、住宅市場が安定化しつつあることが改めて示された。

4地域全てで増加した。中西部、西部、人口密度の高い南部での増加が目立った。ロイターがまとめた市場予想は5.0%増の420万戸だった。

2月の前年同月比は22.6%減少した。中古住宅は米住宅販売の大部分を占めている。

2月の中古住宅価格の中央値は前年同月比0.2%下落の36万3000ドル。下落は2012年2月以降で初めて。

住宅価格が高水準にある北東部と西部で下落した一方、価格がより手頃な水準にある中西部と南部では上昇が継続。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅価格が下落し雇用増が見られる地域でより堅調な販売増が確認されている」と述べた。

ブライアン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「住宅ローン金利が再び急上昇しない限り、住宅価格の下落の抑制につながる可能性のある需要が根底に存在していることが示された」とし、「住宅価格の下落は緩やかなものにとどまるというわれわれの見方が裏付けられた」としている。

市場に出ている中古住宅は98万戸と前月比で変わらず、前年同月比では15.3%増となった。

2月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.6カ月。前年同月は1.7カ月だった。健全な需給バランスは4─7カ月とされている。

住宅が市場に出ていた期間は34日間で、1月の33日間から延びた。販売された住宅の57%は1カ月以内に買い手が決まった。

初回購入者の割合は27%。前年同月の29%から低下した。現金のみによる販売の割合は28%。前年同月は25%だった。