• 預金保護でイエレン長官が見解調整、ヒンデンブルグの新リポート
  • 英中銀0.25ポイント利上げ、スイスがAT1債での判断擁護、TikTok
A visitor looks at an exhibit of destroyed Russian military equipment at St. Michael’s Square in Kyiv, Ukraine, on Tuesday, Dec. 6, 2022.  Photographer: Andrew Kravchenko/Bloomberg

欧州の天然ガス価格が再び上昇。気象予測を手掛ける企業によると、来週前半には英国やドイツ、フランスで、気温が例年より摂氏で5度ほど低くなるようで暖房需要の増加が見込まれています。暖房を多く使うシーズンも終盤に入り、そろそろ春の足音。しかし、自宅や電力設備を破壊されているウクライナの人々にとっては、なお厳しい状況が続きます。ロシアによる侵攻から、気付けば1年1カ月。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

預金保護の見解調整

イエレン米財務長官は下院の委員会での公聴会で、正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意があると述べた。前日の上院委員会での証言原稿と異なる新たな発言が加えられた。米財務省が公表した証言原稿は前日のものとほぼ同内容で、最近の政府の措置は「米国民の預金の安全性を確実にするために講じられた」と繰り返し説明。ただ下院での証言ではその後に、「もちろん、正当化される場合は追加措置を講じる用意があるだろう」と述べた。

ドーシー氏率いる企業

決済サービスを手掛ける米ブロック(旧社名スクエア)の株価が、23日の米株式市場で急落。空売り投資家ヒンデンブルグ・リサーチはリポートで、コロナ禍に伴い政府が実施した現金給付の詐取をブロックが容易にしたと主張し、同社に対するショートポジションを建てたことを明らかにした。ブロックはツイッターの共同創業者であるジャック・ドーシー氏が会長を務めている。これに対し、ブロックはヒンデンブルグに対する法的措置を検討する意向を明らかにした。

英中銀も0.25ポイント利上げ

イングランド銀行(英中央銀行)は銀行セクターの混乱にもかかわらず、市場の予想通り政策金利を0.25ポイント引き上げた。英経済が当面はリセッションを免れるとの見通しと、インフレが引き続きリスクだとの認識を示した。政策金利は4.25%と2008年以来の高水準となった。議事要旨は「インフレ圧力がさらに持続する兆候があれば、金融政策の一段の引き締めが必要になるだろう」とし、2月のガイダンスを引き継いだ。

リスクは警告済みとスイス当局

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)はクレディ・スイス・グループの約160億スイス・フラン(約2兆3000億円)に上る「その他ティア1債(AT1債)」(偶発転換社債=CoCo債)の価値をゼロとした決定を擁護した。債権者に対し、文書の中でリスクは警告されていたと説明。FINMAは、AT1債は「スイスにおいて、銀行の株主資本が完全に使い果たされる前に価値が切り下げられるか、普通株等ティア1(CET1)資本に転換されるように設計されている」と指摘した。クレディ・スイスのCoCo債の価値をゼロとする19日の発表は投資家を激怒させた。

納得させられず

動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の周受資・最高経営責任者(CEO)は米下院エネルギー・商業委員会で証言。親会社の字節跳動(バイトダンス)の資本は国外投資家がほとんどを出しており、取締役会メンバーの大半は米国人だと述べた。ただ、ティックトックのデータにバイトダンスの従業員がアクセスできるかどうかについては、明確に否定するには至らず、そのようなことが起きている「証拠は見たことがない」と述べるにとどまった。同委員会のロジャース委員長(共和党)はティックトックは安全だとする周氏の主張に対し、「納得できない」とはねつけた。

その他の注目ニュース

「誰にも知られないように」と隠した体の不調、金融界が女性支援拡充

クレディSのAT1債を買いあさるヘッジファンド、訴訟に収益機会

FSBクノット氏、クレディS株主がなぜ支払い得るのか追及へ (1)