[香港 24日 ロイター] – 英銀行大手スタンダード・チャータードのビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)は24日、スイスの同業クレディ・スイスが発行した劣後債の一種「AT1債」が無価値化されたことについて、世界の銀行規制に「深い」意味合いがあるとの認識を示した。

同CEOは香港の金融フォーラムで「銀行規制や銀行の経営手法に非常に深い意味合いがあったと考えている」と発言。

米国当局が地銀の破綻を受けて預金保険対象外の預金を保護したことについては「少なくとも米国では存続不可能な事業モデルが残っている」ようだとし「久しぶりに見た見事なモラルハザードの一例だ」と述べた。

スタンダード・チャータードの流動性カバレッジ・レシオ(LCR)については、米地銀破綻前は147%で「現在は大幅に上昇している」と指摘。具体的な水準は明らかにしなかった。

同CEOは「問題は規制当局がわれわれの支払い能力を信頼しているかではなく、市場がわれわれの流動性を信頼しているかだ」と述べた。