【北京、台北時事】中国外務省は26日、中国が中米ホンジュラスと国交を樹立したと発表した。台湾の呉※(※金ヘンにリットウ)燮・外交部長(外相)は同日の記者会見で、「国家主権と尊厳を守るため」として、ホンジュラスと断交したことを明らかにした。
ホンジュラス大統領、中国との国交樹立指示 台湾は「深刻な懸念」表明
ロイター通信によると、中台の発表に先立ちホンジュラス外務省は、ツイッターに「中国政府が全中国を代表する唯一の正統な政府であり、台湾は中国の不可分な領土だ」と投稿した。
「一つの中国」原則を掲げる中国は経済力を武器に、台湾と外交関係を結ぶ国の切り崩しを進めている。台湾の蔡英文総統は26日、「非常に遺憾だ」と動画で談話を発表。「中国と無意味な金銭外交競争はしない」と述べ、圧力を受けても台湾の人々は自由と民主主義を堅持し引き下がらないと強調した。
昨年1月に就任したホンジュラスのカストロ大統領は親中派で知られ、今月には中国との国交樹立を外相に指示。台湾外交部は23日、ホンジュラスのレイナ外相が交渉のため中国に派遣されたとして「強烈な不満」を表明し、駐ホンジュラス大使の召還を発表していた。
中国外務省によると、レイナ氏は26日、北京で中国の秦剛国務委員兼外相と会談。ホンジュラス側が「一つの中国」原則に同意し、国家主権や領土一体性の尊重、内政不干渉をうたった共同コミュニケに署名した。同省は報道官談話で、ホンジュラスの決定を「正しい選択であり、高く評価する」と述べた。