[ソウル/東京 27日 ロイター] – 韓国軍は、北朝鮮が27日午前に短距離弾道ミサイル2発を東方向へ発射したと発表した。米韓が共同訓練を続ける中、北朝鮮は弾道ミサイルや巡航ミサイルの発射などを繰り返している。
日本の防衛省によると、北朝鮮は西岸付近から2発を発射。1発目は午前7時47分ごろ、2発目は同57分ごろ発射し、同省はいずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定している。最高高度は約50キロ、飛距離は約350キロだった。韓国軍は飛行距離370キロ程度と分析している。
韓国軍は、今回の発射を国連安全保障理事会決議に違反する重大な挑発行為として「強く非難」し、発射の即時停止を要求。合同参謀本部は声明で「北朝鮮のさまざまな活動を注視し、いかなる挑発にも圧倒的に対応できる能力に基づく確固たる即応態勢を維持する」とし、米国との軍事訓練は予定通り継続するとした。
米韓は定例の合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を23日に終了したが、その後も着上陸訓練などを続けている。
また、米空母「ニミッツ」と打撃群の艦船は28日に釜山の韓国海軍基地に寄港する予定。韓国国防省によると、ニミッツは27日に朝鮮半島南岸沖で韓国軍と合同海上演習を行う。
米空母の寄港は昨年9月の「ロナルド・レーガン」以来で、北朝鮮抑止のためこの地域に米国の「戦略的資産」を拡大する取り組みの一環という。
米インド太平洋軍は今回の発射について、米軍兵士や同盟国にとって直ちに脅威となるものではないと指摘。しかし、北朝鮮の非合法な大量破壊兵器と弾道ミサイル計画に伴う不安定な影響を浮き彫りにしているとする声明を出した。
北朝鮮は24日、核兵器を搭載可能な水中攻撃ドローンの実験を前日に実施したと公表。金正恩総書記は米韓合同軍事演習を中止すべきだと警告した。20日には地中のサイロから短距離ミサイルを発射した。