[東京 28日 ロイター] – 西村康稔経済産業相は28日の閣議後会見で、米国との間で重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化に関する協定の署名に関して閣議決定したことを明らかにした。本日米国で署名する。これにより、米バイデン政権が進める電気自動車(EV)の税制優遇措置において日本メーカーも優遇を受けられることになる。

西村経産相は、EVのバッテリーの大幅な需要拡大が見込まれる中、「生産に不可欠な重要な鉱物を確保することが喫緊の課題」とし、持続可能で公平なサプライチェーンの確保に向けた協力の強化を通じて、日米や同志国との連携による強靭なサプライチェーン構築を目指すと述べた。

米国側の手続きを経て、日本はインフレ抑制法上の米国とのFTA(自由貿易協定)締結国となる見通し。これにより日本で採取・加工された関連重要物資・鉱物を使用したEVがEV税制優遇措置において、税額控除を受ける要件を満たすことになる。

バイデン政権は昨年8月に成立したインフレ抑制法の一環として、北米で生産したEVを税制面で優遇する制度を盛り込み、車載用電池の生産や、原料である鉱物の調達を北米中心に切り替えることなども優遇措置の要件とすると発表。日系メーカーから不満の声が上がっていたほか、日本政府も意見書を提出するなどしていた。